単独親権者が死亡したため、親権を行使する者がいなくなると、その未成年の子のために後見が開始され、未成年後見人が付されます。
最後に親権を行う者(単独親権者)は、遺言により未成年後見人を指定することができますので、その子の監護、養育、財産管理を任せたい人がいるのであれば、遺言でその人を未成年後見に指定しておくことで、ご自身に万が一のことがあった場合に備えることができます。
未成年の子は、父母の親権に服します。
親権者である父母は、未成年の子の利益のために子の監護、教育を行い、未成年の子の財産を管理する権利義務を有します。
父母が婚姻中は、親権は父母が共同して行使するのを原則とします。
未成年の子を有する父母が離婚した場合の親権者
父母が協議離婚する場合、その協議で父母のどちらか一方を親権者と定めなければなりません。
父母が裁判離婚した場合、裁判所が父母のどちらか一方を親権者に定めることになります。
現行法では、未成年の子がいる場合、父母の離婚より、父母のどちらか一方が親権者となり、他方は親権を有しないことになります。(共同親権から単独親権へ)
単独親権者が死亡した場合、その未成年者の監護、教育、財産管理は誰が行うのでしょうか?
単独親権者の死亡により、親権を行う者がいなくなった場合、後見が開始されます。
後見が開始されると、未成年の子の監護、教育、財産管理は、未成年後見人が行うことになります。
最後に親権を行う者は、遺言により未成年後見人を指定することができます。
(ただし、親権者が管理権を喪失している場合、遺言により未成年後見人を指定することができません。)
未成年後見人を指定する遺言があれば、指定された者が未成年後見になります。
未成年後見人を指定する遺言がなく、未成年後見人となる者がいない場合、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、家庭裁判所が未成年後見人を選任することになります。
子が未成年の間に親権者である自身が死亡した場合、その未成年の子の監護、教育、財産管理を託したい人がいるときは、その人を未成年後見人に指定する遺言の作成を行うことにより、予め未成年後見人を指定しておくことができます。
未成年後見人を指定するには、遺言の形式によらなければなりません。
遺言は厳格な要件が定められており、その形式に違反した場合、その遺言は無効になってしまいますので、確実に未成年後見人の指定をしたいのであれば、公正証書遺言により未成年後見人を指定することを推奨致します。
公正証書遺言により未成年後見人を指定した場合、公証人手数料は、11,000円になります。
(なお、その他に相続させる旨の遺言や遺贈を行う場合、財産額に応じた公証人手数料が別途発生します。)
以前は、未成年後見人は一人に限るとされていましたが、法改正により複数の未成年後見人を置くことが認められています。
例えば、未成年後見人として両親(未成年の子の祖父母)を指定すること等が考えられます。
未成年後見人に指定した者が、遺言者より先に死亡した場合等に備えて、予備的に未成年後見人を指定しておくことができます。
例えば、第一次的には、未成年後見人として自分の父を指定し、その父が自分(遺言者)より先に死亡した場合、第二次的に自分の妹を未成年後見人に指定しておくことが可能です。
未成年後見人を指定することができる者は、遺言により未成年後見監督人を指定することができます。
未成年後見監督人とは、その名の通り、未成年後見人を監督する職務を行う者です。
例えば、未成年後見人に自分の兄を指定し、未成年後見監督人に自分の父を指定しておくこと等ができます。
近親者や知人で、未成年後見人になってくれる人がいない場合、弁護士や司法書士といった専門職に依頼する方法もあります。
また、法人も未成年後見人になることができますので、弁護士法人やNPO法人等、未成年後見を支援する法人に依頼する方法もあります。
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