
ここでは、合資会社の社員の登記について解説します。
合資会社は新たに社員を加入させることができます。
合資会社の社員の加入は、当該社員に係る定款の変更をした時に、その効力を生じ、定款の変更は、定款に別段の定めがなければ、総社員の同意が必要になります。
社員に関する定款の絶対的記載事項
・社員の氏名又は名称及び住所
・社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
・社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準
あらたに加入する者は、合資会社に対して出資義務を負うことになりますが、出資の履行は必ずしも加入時に行う必要はなく、加入後に履行することもできます。
登記すべき事項
・加入した社員の氏名、住所
・加入した社員を代表社員と定めたときは代表社員の氏名
(ただし、合資会社を代表しない社員がある場合に限る)
・社員が、有限責任社員又は無限責任社員いずれかの別
・加入した社員が有限責任社員の場合は、出資の目的及びその価額並びに履行した出資の価額
合資会社の社員はその持分の全部又は一部を譲渡することができます。
無限責任社員又は業務を執行する有限責任社員がその持分の全部又は一部を譲渡するには、他の社員全員の承諾が必要になります。
業務を執行しない有限責任社員がその持分の全部又は一部を譲渡するには、業務執行社員の承諾が必要になります。
定款の変更
無限責任社員又は業務を執行する有限責任社員がその持分の全部又は一部を譲渡による社員の加入の場合、総社員の同意により当該社員に係る定款を変更します。
業務を執行しない有限責任社員がその持分の全部又は一部を譲渡による社員の加入の場合、業務執行社員の全員の同意により当該社員に係る定款を変更します。
持分の全部を社員以外の者に譲渡した場合の登記
持分を譲渡した社員⇒退社の登記
持分を譲り受けた者⇒加入の登記
有限責任社員が持分全部を社員に譲渡した場合の登記
持分を譲渡した社員⇒退社の登記
持分を譲り受けた社員⇒出資金額の増額の登記(登記原因 持分の譲受)
有限責任社員が持分の一部を社員以外の者に譲渡した場合の登記
持分の一部を譲渡した社員⇒出資金額減少の登記(登記原因 持分の一部譲渡)
持分の一部を譲り受けた者⇒加入の登記
合資会社の社員が死亡したときの登記手続き
合資会社の社員が死亡すると合資会社を退社することになります。
ただし、定款で持分をその相続人が承継する旨の定めがあるときは、定款の定めに従いその相続人が死亡した社員の地位を承継することになります。
@定款に持分承継に関する定めがない場合
死亡した社員の退社登記を申請します。
A定款に持分承継に関する定めがある場合
死亡した社員の退社登記及びその相続人の加入登記を申請します。
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