会社分割による所有権移転登記

会社分割とは
会社分割とは、株式会社又は合同会社が、その事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社又は既存の他の会社に承継させることをいいます。

 

会社分割には新設分割と吸収分割があります。
会社分割には、その事業に関して有する権利義務の全部又は一部を新設会社に承継させるのが新設分割であり、既存の会社に承継させるのが吸収分割です。

 

会社分割により承継する権利義務のなかに、不動産が含まれている場合は、会社分割の効力発生時に法律上当然にその不動産の所有権が分割会社から設立会社又は分割会社に移転します。

 

吸収分割は分割契約書で定めた効力発生日にその効力を生じ、分割契約書に承継させる権利義務として定められていた不動産の所有権も、分割会社から承継会社に移転することになります。

 

新設分割は、新設会社の「設立の登記」によりその効力が生じ、分割計画において承継させる権利義務として定められていた不動産の所有権も、分割会社から新設会社に移転することになります。

 

会社分割により不動産(の所有権)を承継したときは、所有権移転登記の手続きが必要になります。

 

 

会社分割による所有権移転登記の手続

会社分割により不動産を承継したときは、分割会社と承継会社(又は新設会社)が共同して不動産の所在地の法務局に会社分割による所有権移転登記を申請します。

 

登記原因及び原因日付
登記原因は「会社分割」になります。

 

原因日付
吸収分割の場合、分割契約で定めた効力発生日が原因日付になります。
新設分割の場合、新設会社の設立登記の日(新設分割による設立登記を申請した日)が原因日付になります。

 

添付書類
・分割会社の登記識別情報(又は登記済権利証)

 

・分割会社の印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)

 

・承継会社(又は新設会社)の住所証明情報
具体的には、会社の登記事項証明書又は会社法人等番号を提供します。

 

・登記原因証明情報
吸収分割の場合
分割契約書又は報告形式の登記原因証明情報
登記事項証明書(吸収分割の記載があるもの)

 

新設分割の場合
分割計画書又は報告形式の登記原因証明情報
登記事項証明書(新設分割の記載があるもの)

 

・固定資産税評価証明書

 

報告形式の登記原因証明情報の記載例

吸収分割の場合

登記原因証明情報

 

1 登記申請情報の要項
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 令和○年○月○日会社分割
(3)当事者 権利者(甲)○○市○○町○丁目○番○号 
              株式会社A
       義務者(乙)○○市○○町○丁目○番○号
              株式会社B
(4)不動産の表示
  (省略)

 

2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲及び乙は令和○年○月○日、甲が乙から乙の○○に関する事業を承継する旨の吸収分割契約を締結した。
(2)上記(1)の吸収分割契約において、令和○年○月○日を分割期日とし、同日において承継事業に属する権利義務を甲が乙から承継することを定めた。
(3)令和○年○月○日、吸収分割の効力が生じた。
(4)本件不動産は上記の分割契約書において承継事業に属する権利と記載され、分割期日においても承継事業に属していた。
(5)よって、令和○年○月○日、本件不動産の所有権は乙から甲へ移転した。

 

令和○年○月○日 ○○法務局
上記の登記原因のとおり相違ありません。

 

権利者 ○○市○○町○丁目○番○号
    株式会社A
    代表取締役 ○○○○ 印

 

義務者 ○○市○○町○丁目○番○号
    株式会社B
    代表取締役 ○○○○ 印

 

新設分割の場合(抜粋)

2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)令和○年○月○日、乙は分割して新設する甲に、乙の○○に関する事業を承継させる旨の新設分割計画を作成した。
(2)令和○年○月○日、甲の新設分割による設立登記を申請し、新設分割の効力が生じた。
(3)本件不動産は、上記の分割計画に承継事業に属する権利と記載され、分割日においても承継事業に属していた。
(4)よって、令和○年○月○日、本件不動産の所有権は乙から甲へ移転した。

 

登録免許税
会社分割による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の2%です。

 

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