このページは、売買による所有権移転登記(不動産の名義変更)を申請する際に、通常、必要となる書類(法務局に提出する書類)について、司法書士が説明した記事になっております。
必要書類一覧
・登記原因証明情報
・登記識別情報/登記済証
・売主の印鑑証明書
・買主の住所証明情報
・代理権限証明情報
・固定資産税評価証明書
以上の書類が、売買による所有権移転登記に必要となる一般的な添付書類です。
以下で、各添付書類について詳しく説明致します。
「登記原因証明情報」とは、登記原因となった事実又は法律行為及びこれに基づき現に権利変動が生じたことを証する情報(書面)のことをいいます。
@不動産売買契約書
(代金の支払時に所有権が移転する旨の特約がある場合、売買代金の領収書等も添付)
売買による所有権移転登記の場合、売買契約書を添付せずに、下記の報告形式の書面を登記原因証明情報として提供するのが一般的です。
A報告書(報告形式の登記原因証明情報)
下記の書式は、法務局ホームページで提供している報告形式の登記原因証明情報の記載例(書式)です。
1 当事者及び不動産
(1)当事者 権利者(甲)法務 太郎
義務者(乙)甲野 花子
(2)不動産の表示
所 在 ○○市○○町一丁目
地 番 23番
地 目 宅 地
地 積 123.45平方メートル
所 在 ○○市○○町一丁目23番地
家屋番号 23番
種 類 居 宅
構 造 木造かわらぶき2階建
床 面 積 1階 43.00平方メートル
2階 21.34平方メートル
2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)甲と乙は、令和元年6月30日、上記不動産の表示に記載した不動産の売買契約を締結した。
(2)売買契約には、所有権の移転の時期について、甲が売買代金を支払い、乙がこれを受領した時に所有権が移転する旨の特約が付されている。
(3)令和元年7月1日、甲は売買代金を支払い、乙はこれを受領した。
(4)よって、上記不動産の表示に記載した不動産の所有権は、同日、乙から甲に移転した。
令和元年7月1日 ○○法務局○○出張所
上記の登記原因のとおり相違ありません。
(買主) 住所 ○○市○○町二丁目12番地
(甲) 法 務 太 郎 印
(売主) 住所 ○○郡○○町○○34番地
(乙) 甲 野 花 子 印
法令上、署名押印に関して何ら定められていません。
売主、買主の双方が署名又は押印するのが望ましいですが、少なくても登記義務者である売主の署名又は押印が必要とされています。
「登記識別情報」とは、登記の申請がされた場合に、当該登記の登記名義人となる申請人に、法務局から通知されるアラビア数字その他の符号(アルファベット)からなる12桁の情報のことをいいます。
売買による所有権移転登記申請の際には、売主が登記を受けた際に法務局から通知を受けた登記識別情報を提供します。
登記識別情報の制度は、不動産登記のオンライン化に伴い新設された制度であり、オンライン化より前に登記を受けた場合は、従前のとおり「登記済証(権利証)」を提出します。
不動産登記のオンライン化の移行時期は、各法務局により異なります。
亡失等により登記識別情報等を提供できない場合の措置
登記識別情報又は登記済証は再通知(再交付)されません。
登記識別情報等を提供できないときは、次の方法により登記識別情報の提供に代えることができます。
@事前通知制度
登記識別情報等の提供がない場合、登記官は登記義務者(売主)宛に事前通知書を発送して登記申請の意思確認を行います。
売主は、申請したこと及び申請内容に間違いがなければ申出期間内(原則2週間)にその旨を管轄法務局に申出をします。この申出がなされることにより登記識別情報の提供があったものとして、登記処理がなされます。
登記識別情報の提供がない場合、上記のとおり登記官は事前通知を行う必要がありますが、次の場合には事前通知を省略することができます。
A資格者代理人による本人確認情報の提供があった場合
登記申請が司法書士等の資格者代理人によりなされ、その代理人から当該申請人が登記義務者であることを確認するために必要な情報(本人確認情報)の提供を受け、且つ登記官がその内容を相当と認めるとき
B委任状等に公証人の認証がある場合
登記申請書、又は委任状について、公証人から当該申請人が登記義務者であることを確認するために必要な認証がなされ、且つ登記官がその内容を相当と認めるとき
売主が個人の場合、市区町村発行の作成後3ヶ月以内の印鑑証明書を添付します。
売主が法人の場合、登記所(法務局)発行の作成後3ヶ月以内の印鑑証明書を添付します。
なお、売主が法人の場合、会社法人等番号を申請情報の内容としたときは、印鑑証明書の添付を省略することができます。
買主が個人の場合、住民票を添付します。
住民票の他、印鑑証明書、戸籍の附票等も住所証明情報とすることができます。
住民票等の有効期限の定めはありません。
買主が法人の場合、法人の登記事項証明書を添付します。
なお、会社法人等番号を申請情報の内容としたときは、登記事項証明書の添付を省略することができます。
代理人により登記を申請する場合、委任状を添付します。
委任状に押印する印鑑ですが、売主(登記義務者)は実印(個人は市町村に登録した印鑑、法人は登記所(法務局)に届出た印鑑)で押印する必要があります。
また、未成年者のために法定代理人が登記申請する場合、法定代理権を証するため代理権限証明情報として戸籍謄本を添付する必要があります。
法令上、添付が要求される書類ではありませんが、登録免許税を計算するための資料として、実務上、添付することになっています。
登録免許税の額は不動産の価格をもとに算出しますが、固定資産税課税台帳に登録された価格をもって不動産の価格とします。
固定資産税評価証明書については、原本を提出しなければならない、コピーの提出でも可、市町村から毎年送付されてくる固定資産税の課税明細書でも可など、管轄法務局により要求される書面が異なります。
司法書士八木事務所では、不動産売買による所有権移転登記に関するご相談、ご依頼を承っております。
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